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薬草園歳時記(19)ツタンカーメン豆とエンドウ 2022年6月


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ムラサキエンドウ 薬草園提供

 最近ある俳人から「ツタンカーメンの豆」が送られてきて食べた。薬草園にある。「ツタンカーメンの豆」とは、エンドウ(エンドウ豆)の品種の一つで、植物名はムラサキエンドウと言う。ツタンカーメンの墓の供物の中に、レンズ豆やヒヨコ豆と一緒に、古代の紫エンドウ豆(ツタンカーメン豆 、英名King Tut’s Pea)があった。その豆を発芽させて育てたのがツタンカーメン豆の名前の由来と言われている。諸説あって、ツタンカーメン豆が本当に3000年の時を経て発芽した豆だったのかどうか、はっきりしないが、物語として面白い。ツタンカーメン豆(紫エンドウ豆)が古代エジプトで食べられていたのは確かである。

ムラサキエンドウの花

 エンドウ(エンドウ豆)はヨーロッパ原産の越年生草本のつる性植物で、品種によって茎の成長する長さが違う。茎が中空になっていて、折れやすく自立性がない。支えとなる他のものに巻ひげで絡みながら成長する。花はマメ科の特有な蝶形花で、品種により色がいくつかある。

 ムラサキエンドウが薬用になる記述などはないが、系統維持や遺伝資源維持のために薬草園でも栽培している。初秋に播種して、翌年の春頃に実がよくなるが、薬草園では豆(種子)を食べるために栽培しているわけではないので、完熟して十分に乾燥した豆(種子)を採取する。それをまた秋に蒔いて種の維持のため代々繋いでいる。薬草園でムラサキエンドウを栽培していると莢(豆果)が紫色にはっきり出ない株が稀に発生することがある。何かの原因で交雑したのか、または先祖帰りして、紫色と緑色の斑模様になってしまう。その様な株が発生したらそれを抜根し、純粋な紫色の莢(豆果)がでる株のみを選抜する。

 秋から翌年の春にかけて栽培すると実の収量が多くなる。エンドウは耐寒性があり、秋から冬の短日、冷涼、強光の環境下で、低節部の分枝がよく促進する。生育初期は低い草丈で越冬させる。春の伸長期は高温と日長によって高節部の分枝が多くなり開花が早くなる。このような成育の特徴や性質を巧みに利用して。効率的な栽培をするのが一般的である。

 エンドウ(エンドウ豆)というと、白エンドウ(花:白系、莢:緑、豆:黄緑色)と赤エンドウ(花:赤系、莢:緑、豆:褐色)の二つを指す。白エンドウはホルテンセ群(Hortense Group)、赤エンドウはアルウェンセ群(Arvense Group)と二つのグループに分けられる。また、両者の中間型が多く、交雑種もあるため、ムラサキエンドウなども厳密な区別が難しい。

エンドウ(アカエンドウ)の種子(左)
ムラサキエンドウの種子(乾燥種子は黄緑色)(右)

 食用には、白エンドウのホルテンセ群(Hortense Group)が今は主流で、その代表として、グリーンピース(アオエンドウ)やサヤエンドウがある。赤エンドウのアルウェンセ群(Arvense Group)は乾燥した豆を料理に使う事が多く、煮豆や餡などの加工品に使われる。

 以前はエンドウと言えば赤エンドウを指した。これらは世界中で古くから栽培され、麦類と同様に歴史がある。近東やヨーロッパの新石器時代の住居跡に種子(豆)が見つかっている。中世ではヨーロッパ一体で栽培され。乾燥した豆は保存食にした。グリーンピース(アオエンドウ)を生果(乾燥していない新鮮な豆を収穫したもの)でよく食べるようになったのは17世紀になってからである。その後18世紀にイギリスで様々な交雑育種が始まり、各地でデンプン比が高く甘みがある品種が誕生した。

 ムラサキエンドウもグリーンピース(アオエンドウ)と同様に生果を茹でて食べるのが美味しい。エンドウ豆にはビタミンB1とカリウムが含まれる。ビタミンB1は疲労回復効果があり、カリウムにはナトリウムを排出する作用があるため、むくみの改善に効果がある。

左からツタンカーメン豆、さや、炊き込んだご飯 撮影:尾池

地震の国に生きてゑんどう剥いてをり   桂 信子
豆飯の湯気を大事に食べにけり      大串 章

青豌豆赤豌豆をドンゴロス          和夫

尾池和夫


薬学部の薬草園サイトはこちらからご覧ください。
https://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/~yakusou/Botany_home.htm

キャンパスの植物は、食品栄養科学部の下記のサイトでもお楽しみいただけます。
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/four_seasons/


下記は、大学外のサイトです。

静岡新聞「まんが静岡のDNA」の記事でも薬草園を紹介しました。
https://www.at-s.com/news/article/featured/culture_life/kenritsudai_column/742410.html?lbl=849

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