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『国家の「余白」―メコンデルタ 生き残りの社会史』(下條尚志著)刊行案内


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国家の「余白」―メコンデルタ 生き残りの社会史

このたび、大学院国際関係学研究科の下條尚志助教による著書『国家の「余白」―メコンデルタ 生き残りの社会史』が、京都大学学術出版会から刊行されました。

【内容】
豊かな自然と世界有数の農業生産を誇り、大都市からも近く、いまはクルーズ観光が人気のメコンデルタ。しかしここは20世紀最大の動乱の舞台でもある。いくつもの国家が、統計?分類、文書化、マッピング、暴力を用いてこの地域の人々を捕捉しようとした。しかし、そうすればするほど動乱が拡大する。民族的混淆(こんこう)、流動する人?モノ?情報、闇市や徴兵忌避の寺院等々、デルタ社会の生態歴史文化的特徴のなか「国家の介入しにくい空間」が如何に作られるのか、そのメカニズムを詳細な民族誌で解き明かす。

【目次】
口絵

序論

序章 国家の「余白」——メコンデルタ 生き残りの社会史
1 国家の「余白」と人々の生き残り策
2 ソクチャン省フータン社の地域的特徴
3 フィールドワークとオーラル?ヒストリー
4 本書の構成

第1章 生き残り策から問い直す動乱
1 モーラル?エコノミーとベトナム南部
2 多民族社会とその歴史の捉え方
3 国家の介入しにくい空間
4 国境を越えた移動
5 社会国家関係の再検討

第2章 混淆的な多民族社会
1 統計ではみえない「混血」の人々
2 多民族社会の地域性
3 地域社会の混淆性
4 民族をめぐる自他認識
5 人々にとっての民族


第1部 国家の周縁から「余白」ヘ

第3章 紛争と移動——多民族社会の生成
1 国家の周縁部としての地域形成
2 植民地化以降の移民と開発
3 脱植民地化過程の動乱
4 民族間紛争の捉え方

第4章 脱植民地化過程における言語?仏教?帰属
1 仏領期末期のフータン社とカンボジア
2 南ベトナム政府期初期のフータン社とカンボジア
3 帰属問題の表出
4 人々と南ベトナム国家の齟齬
5 クメール語?上座仏教世界の変化に対する反応

第2部 戦時下での生き残り

第5章 戦時国家による地域社会の再編
1 インドシナ戦争直後の地域状況
2 ジエム政権の政策理念
3 「荒地開拓」と「戦略村」
4 「耕す者に田を」と「緑の革命」
5 農村モデルの導入から合理的農民の創出へ

第6章 二つの政治権力の狭間で
1 解放戦線の戦略と地域社会
2 クメール系上座仏教徒と国家
3 国家の戦略と地域社会

第7章 戦時下における不可侵の秩序空間
1 安全な場所への逃避
2 国家の力が及びにくい寺院内秩序
3 兵カ?食糧不足
4 不可侵の秩序空間

第3部 社会主義改造下での生き残り

第8章 社会主義改造による地域社会の再編
1 社会主義改造の経緯
2 農業と商業の社会主義改造
3 宗教と民族の再編

第9章 社会主義改造下のローカルな秩序
1 農村における私生活領域
2 闇経済の生成
3 生存のために残された空間

第10章 生き残り策としての越境
1 難民としての越境
2 冷戦終結以降の越境
3 越境者の背景
4 「穴だらけ」の国境

第4部 過去を踏まえて現在を生きる人々

第11章 二一世紀のクメール人越境者とベトナム国家
1 帰属問題の顕在化
2 越境移動の制度化
3 モノとメディアの越境移動
4 不自由化する越境移動

第12章 混淆的な多民族社会における差異の認識
1 差異と変化をめぐる語り
2 妖術をめぐる他者認識
3 「小さな歴史」と「大きな歴史」のもつれあう場

終章 秩序が紡ぎ出される場としての「余白」
1 国家の「余白」が現れる場
2 混淆的な多民族社会からみえる歴史
3 国境を越えた世界の一部としての多民族社会
4 国家の介入しにくい空間での生き残り
5 揺れ動く政治的立場
6 近代国家の弱さとローカルな秩序の強さ
7 おわりに——国家の「余白」をめぐる再帰的な歴史に向けて

参考文献
あとがき
索引


(2021年3月1日)

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